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医師の⾧時間労働の法規制について①

医師の⾧時間労働の法規制について①

昨今、医師の⾧時間労働の法規制についての議論が進む中で、厚生労働省は現在最も⾧時間労働を行っている若手医師と、これから⾧時間労働を行うことになるであろう医学生の率直な意見が正当に議論に反映されているのか疑問に思い、2017 年 11 月に卒後10年以下の若手医師と医学生を対象にしたオンライン質問紙調査データがあったので2編に続きご紹介します。
尚、質問調査は821 名からの回答を得た。その結果をもとにして、ここに若手医師と医学生からの提言を行う旨が記載されている。

提言要旨

1. 私たちは、医師が原則として国の定める労働時間の上限規制と労使協定を遵守する必要があると考えている。それは患者の医療安全と医師の安寧(Well-being)を保ち、医療の持続可能性を高めることにつながる。

2. 私たちは、日本の人口構造の変化や様々な医療提供体制の問題、業務量の多さ、⾧時間労働を美徳とする医師の慣習や封建的な風潮によって⾧時間労働を余儀なくされている。私たちは、この全国的に常態化している医師の⾧時間労働が将来に渡って継続または増悪することに強い危機感を抱いている。若手医師や医学生を含む医師自体が⾧時間労働に身を投じて、助けを求めることが遅れてしまうメカニズムに配慮した対策が必要不可欠である。

3. 私たちは、多くの若手医師や医学生が労働基準法の定める労働時間の上限規制や労使協定について理解していないことを知った。卒前教育や卒後教育を通して、若手医師と医学生が労働基準法を理解し、それを遵守する必要性を学ぶ機会を設けることを提案する。そして、私たちの指導医や雇用主が率先して労働基準を遵守し、職場を挙げて持続可能な労働環境の整備に向けて取り組むことを要望する。政府には彼らが労働時間の上限規制を遵守できるように医療提供体制を構築するよう要望する。

4. 私たちは、現状のままでは国民の医療へのアクセスや医療の質を保ちながら、医師が労働基準法を遵守することができないことを認識している。下記に挙げる項目について、国民や行政、立法、医師会、コメディカル、アカデミア等が協力して、包括的かつ⾧期的な目標を設定し、実質的に医師が労働基準法を守れるような労働環境を段階的に実現していくよう求める。たとえ改革に時間がかかったとしても、決してこれまでのように医師にとって労働基準法があってないようなものになってはいけない。そして、私たちも無関心を装ってはいけない。

a. 90%以上の若手医師と医学生が「医師の健康診断や休息の確保」や「医師の抑うつやバーンアウト、自殺を予防する対策」、「医師の子育て支援とキャリア支援(産休や育休、保育園、再就職支援を含む)」を必要としている。特に女性医師と医学生は子育て支援とキャリア支援を重要視している。

b. 94%の医学生が⾧時間労働の上限規制に際して、「研修の質の維持とモニタリング」を必要と考えている。限られた労働時間の中でも、必要不可欠な研修が受けられるように医学教育方法に工夫を要望する。

c. 約 80%の若手医師と医学生が「医療安全のモニタリングの実施」や「患者の各地域での救急医療へのアクセスの確保」、「医療の質、患者の健康指標、患者の満足度のモニタリングの実施」を必要だと答えた。医療と介護、その他のデータの統合と利活用を進めて、これらのモニタリングを実現する必要がある。そして、モニタリングの結果が業務改善に反映される仕組みを作ることが重要だと考えている。

d. 80%以上の若手医師と医学生が「医師自身の働き方に対する意識の変革」が必要と答えた。若手医師や医学生の意識改革だけでは⾧時間労働は是正できない。指導医や雇用主が率先して意識改革を行い、職場ぐるみの取り組みが必要である。

e. 80%以上の若手医師と医学生が「医師の労働時間の定期的なモニタリングの実施」が必要と答えた。労働時間は医師の労働環境をモニタリングするための1つの指標である。他の指標と共にモニタリング結果を公開し、職場間が競いあって労働環境の改善に取り組む材料にすることを提案する。

f. 80%以上の若手医師と医学生が「オンコールや自己研鑽、研究活動を労働時間に含むか否かの明確化」を切実な問題であると捉えていた。法的もしくは自主的に明確なルールの策定とそれらの啓発が必要である。

g. 80%以上の若手医師と医学生が「医師の給与の維持」が必要であると答えた。若手医師の多くは研修の機会を得るために、研修病院の訓練投資分を給与から差し引かれた給与で生活している。若手医師の健康で文化的な生活が保障されるように給与の維持は必要である。

h. 86%の若手医師が臨床現場の実感をもって「タスクシフティング(業務を他職種に移管)やタスクシェアリング(業務を他職種と共同化)の推奨」が必要であると答えている。コメディカル等と相談しながら進めていくべきである。また、新しい技術の親和性や安全性に配慮しながら「AIや ICT、IoT を活用した仕事の効率化」も進めていく必要がある。

i. 70%以上の若手医師と医学生が「国民(地域住民)の理解を得ること」や「医師の需給の再検討」、「医師の地域偏在への対策」、「医師の専門科偏在への対策」、「病院機能の地域内での調整(規模や範囲の集約化等)」が必要であると答えた。これらはいずれも医師の⾧時間労働の根源的な課題であり重要視している。特に私たちは医師の地域偏在や専門科偏在の対策のために、若手医師や医学生が研修の名目で医療資源の隙間を埋めるための労働力として使われて疲弊してしまうことを危惧している。地域毎や専門科毎の研修枠の設定等の議論には、必ず多くの若手医師や医学生の意見を取り入れるべきだと考える。

j. 72%の若手医師と医学生は、「医師の応召義務の見直し」が必要であると答えた。医師の応召義務は医師の職業倫理とも密接に結びついており、医師の労働基準法への理解が進まない原因の1つかもしれない。若手医師や医学生も巻き込んだ十分な議論のもとで検討されるべきである。

若手医師や医学生は自身の働き方について

日本政府は少子高齢化に起因した人口構造から生じる問題に直面する中で、より一層の経済成⾧を図るために労働環境の改善を含めて労働生産性の向上を図り、それによって労働参加率を向上させるという一億総活躍社会を目指している。そのために 2017年「働き方改革実行計画」を策定したが、医師の働き方については応召義務を考慮して別途検討が必要とした。厚生労働省は 2017 年に「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」 結果を報告し、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書」を纏めた。勤務実態の調査においては、性別や勤務形態によって大きく異なるものの、20歳代から30歳代の若手医師の⾧時間労働は他の年代と比較して明らかであった。政府の「働き方改革」の目的はあくまでも日本の経済成⾧に主眼をおいていることに留意しなければならないものの、労働時間の調査結果からは患者の医療安全や若手医師の安寧が脅かされていることが示唆された。

2017 年 8 月 2 日より厚生労働省において「医師の働き方改革に関する検討会」が始まり、2018 年 1月に中間報告が纏められる予定である。検討会の報告を踏まえて医師の労働時間に何らかの上限規制が設けられることが考えられ、それを踏まえて医師の需給推計が始まる予定である。また、2017 年 10月には医師の職業倫理である世界医師会ジュネーブ宣言が改訂され、「I will attend to my ownhealth, well-being, and abilities in order to provide care of the highest standard.」の 1 文が追記された。医師は患者の健康を第 1 の関心事とすることに変わりはないものの、世界中で医師という限られた医療資源の持続可能性を考慮するように遷り変わってきている。このような一連の流れから、多くの若手医師や医学生は自身の働き方に高い関心を寄せている。

労働環境に関する若手医師や医学生の本音を聴くことは難しい。若手医師は被雇用者かつ学習者であり、医学生は学習者である。雇用主や指導者と比較すると相対的な弱者と成り得る。彼らの建前ではない率直な意見を汲み取ることは容易なことではない。これまで行われた質問紙票を用いた調査や権威による個人的なヒアリングでは十分に聴取できていない可能性がある。そこで、私たち若手医師や医学生が自主的に調査し、結果を考察し、提言を行うことが必要だと考えた。医学生はまだ医師としての実務経験がなく、これから働き始めることで考え方が変わり得る。しかし、これから医師として働こうとする彼らの抱く理想の働き方を知っておくことは、将来の日本の医師の働き方を検討する上での重要な資料となるだろう。

私たち若手医師と医学生の有志は 2017 年 8 月に Advocacy team of Young Medical Doctors and Students (AYMDS)を立ち上げた。準備を重ねて同年 11 月 15 日から 26 日に卒後 10 年以下の若手医師と医学生を対象としたオンラインアンケート調査を行った。821 名(若手医師 533 名、医学生 288 名)

5から回答を得た。アンケートの概要と質問項目は添付資料 1(医師の⾧時間労働の法規制について②) をご参照頂きたい。得られた回答内容を参考にして提言書の原稿を作成した。そして、アンケート調査時に氏名と連絡先を登録された 31 名の若手医師と医学生に原稿へのコメントを依頼した。それらのコメントを参考に提言内容を修正し、本稿を

公開するに至った。

参考:厚生労働省

医師の⾧時間労働の法規制に関する若手医師と医学生からの提言書

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